設計事務所A社 設計部
意匠性の高い外観の実現と
メンテナンスサイクルの長い外壁材という難題に応えたい!
表面が平滑で目地が小さく高意匠性を実現できた、とっておきの「ALC」の全容とは?
背景
施主からのリクエストに試行錯誤を繰り返しているA社。新たに手掛けることになった、店舗を併設したオフィスビルのファサードについて、コストには制限があるものの近隣のビルにはない、高い意匠性のある外観が求められていた。ところがリクエストはそれだけではなかった。
課題
ALCは意匠性が弱く、別のセメント系製品でもコストの面で施主の了解がもらえず…
施主からのリクエストは、意匠性の他にもありました。
この案件を担当している設計士のM氏は、このときの状況を次のように振り返ります。
「他にも多くのビルを所有している今回の施主からは、『今回のビルについては、メンテナンスサイクルの長い外壁材を使用してほしい。他のビルは10年程度で足場を組んで再塗装しなければならず、手間とコストがかかっている』ということだったので、これは難しい提案になりそうな予感がしていました」
M氏は早速これらの条件を考慮しつつ情報を広範囲から集めて、今まで手掛けたことがあり好評だった事例をピックアップしました。それらを基に、ALCにあたりを付け、施主に提案してみました。ところが、表面の形状や目地の太さなど、意匠性が弱く、イメージと違うなどの理由から、施主の了解を得られませんでした。
「そこで、施主の要望に応えようと別のセメント系製品を使った外壁デザインについても提案をしてみました。工場塗装仕様で平滑性もあり意匠性は評価してもらえたのですが、今度はイニシャルコストの面でNGとなってしまいました」(M氏)
その後も新たな外壁材を見つけては提案ということの繰り返しが続きました。ファサードの設計にかけられる時間にも限りがありました。この状況にM氏は焦るばかりでした。
課題のポイント
今回設計するビルは、コストに制限があるうえに、近隣のビルにはない高い意匠性のある外観や、メンテナスサイクルが長い外壁材を使用しなければならなかった
ALCにあたりを付け施主に提案したが、意匠性が弱いなどの理由からどれもNG
そこで平滑なセメント系製品の工場塗装仕様を提案したところ、意匠性は評価されたが、イニシャルコストでNGだった