設計事務所D社 設計部
意匠性・機能性両面を重視した教育施設を建築したい…
ALCの常識をくつがえした、美しく性能の優れた外壁素材とは?
背景
公共・教育施設などの設計を多数手掛けているD社では、地元教育施設の新校舎建設計画の設計を請け負った。意匠性を重視したいという施主の意向を汲み、外装に金属系のパネルの使用を提案したが、いくつかの懸念が残り、最終的な決め手に欠けていた。
課題
金属系パネルだと、周辺施設との調和や性能面が不安…
施主からは施設を建設するにあたり、「意匠性にこだわり、施設としての存在感を出したい」という強い要望がありました。そこで設計士はその意向に沿って、これまでに手掛けてきた事例をもとに、経験上最適と思われる外壁素材を選んで提案を行いました。
設計を担当したN氏は、今回の施設の外壁素材として金属系のパネルの使用を提案した理由を次のように話します。
「外壁素材を選ぶにあたり、ALCは目地が太いため、施主からいただいた意匠面の要望をクリアできないと考えました。また塗装を必要とする外壁はメンテナンスに手間がかかるので避けたかったのです」(N氏)
しかし金属系のパネルにも、いくつかの懸念点がありました。建物としての存在感を出すという点をクリアできたとしても、街づくりの観点から考えると、周辺施設との調和がとれない可能性が考えられました。
また今回の建物は教育施設であるため、施主から改めて「防音性能などの基本性能は十分なのか?他の外壁素材との比較を知りたい」と指摘が入ったのです。
D社では他の外壁素材を検討しましたが、コストを予算内に抑え、かつ意匠性や防音性など求められる要望をクリアする素材は思い当たりません。解決する手段が見つからないまま、設計の期限は迫りつつありました。
課題のポイント
ALCは目地が太く、意匠面の要望をクリアできないと考えていた
塗装を必要とする外壁はメンテナンスが煩わしいため避けたかった
金属系のパネルは周辺施設との調和が取れず、防音性能にも不安があった