設計事務所H社 設計部
こだわりの自社ビル実現のため、妥協を許さない施主の要求が難しくて…
斬新なデザインと強度や防火性能を兼ね備えた外壁に大満足!
背景
オフィスの建築設計・デザインを得意とするH社。このたび地元企業からオフィスビルの設計依頼が舞い込んだ。念願の自社ビルであるため、設備やデザインの細部まで徹底的にこだわりたいという施主の要望に応えるべく意気込んでいたが、外壁選定が停滞して…
課題
オリジナリティを追求し施主に納得してもらいたいが、肝心の外壁材が見つからず…
設計部の担当者T氏は、施主である地元企業の社長とビルの設計について、何度も打ち合わせを重ねていました。しかし、提案に対してなかなか了解が得られなかったのです。
T氏はこのときの状況を次のように振り返ります。
「施主の要望は、『近隣のビルとは一味違う、オリジナリティのあるものにしてほしい』でした」
このほかにも、限られた予算の中で、安っぽいイメージはなく、それでいて耐火性や長期的なメンテナンス性に優れた材料であることも必須でした。
数日後、H社の手掛けた建築事例を見ながら打ち合わせを重ねましたが、施主の反応はいまひとつ。そのうえ、より斬新なアイデアを求められたのです。
そこでT氏は、差別化を意識して大理石調のタイルや金属系のパネルを使用した外壁を検討しました。
「近隣のビルとは違っていたのですが、目新しさはなくオリジナリティを出せているとは言えませんでした。それに予算や納期、メンテナンスなどの課題をすべてクリアするのは難しそうなので、候補からは外すことにしました」(T氏)
その後も条件に合う素材が見つからないまま、設計の期限は迫りつつありました。
課題のポイント
近隣のビルの外壁とは差別化を図り、オリジナリティを出したかった
予算は限られているが、安っぽいイメージにはしたくない。一方で耐火性や長期的なメンテナンス性なども備えていることが必須
大理石調のタイルや金属系のパネルを使用した外壁を検討するも、オリジナリティ、予算、納期、メンテナンス性などが折り合わなかった