ゼネコンD社 設計部
意匠性の高い石造りのような外観のホテルを建てたい!
しかし地震などの災害が多い日本では制約が…自然石調の意匠で耐久性も高い新商品が誕生!
背景
SDGsへの関心の高まりもあり、持続可能かつ自然な景観に建物の外壁を仕上げたいというニーズを強く感じているゼネコンD社。しかしタイルや石材を壁面に用いる従来の工法には、台風や地震など災害が多い日本ならではの問題もあり、その対処が求められていた。
課題
施主のニーズを満たす新しい外壁材がほしい。要望に応えた商品は…
設計部は、ホテルなど宿泊施設の案件の設計依頼があり、これらのトレンドをまとめ、施主や管理会社からのニーズに、柔軟に対応できるような準備を進めることにしました。
この件を任された建築士のK氏は、このときの状況を次のように語ります。
「検討を始めてみたところ、いくつか懸念点があることがわかりました。まずは工期と安全面の問題です。壁面にタイルや石材を張り付けていく作業は、工期が長くなる傾向にあります。また絶対に避けなければならない剥離の危険性なども考えると、高層階の外壁に使うことは難しいです。さらに施工自体だけでなくメンテナンスもコスト高になってしまうことも懸念されます」
そこでK氏は、これら懸念点の解決策のリサーチを進めることにします。まずは外観についてです。大切なのはタイルや自然石に近く、カラーバリエーションが豊富であること。また安全面や工期を考慮し施工が簡単かつ安全であること。それに耐久性が高く、メンテナンスの手間がかからないこともポイントです。加えて、タイルや石材よりコストダウンが図れるのであれば、十分に満足いただけると考えました。
早速これらの条件を付き合いのある建材メーカーなどに問い合わせてみましたが、全てをクリアするのは難しく、良い提案をもらうことはできませんでした。
課題のポイント
自然石やタイルを外壁に使いたい、というニーズが増えていた
しかし、これらを外壁に張る従来工法では工数がかかるうえに、安全面を考えると高層階などへの使用は難しい
タイルなどを外壁に張る従来工法は全面打音検査など、維持管理にコストがかかる