オフィスビル鉄骨造
ゼネコンX社 設計部
金属パネル仕上げを可能にしたALCとは?
シャープさは欲しいがロジスティクスセンターのような外観にはしたくない…
デュアルウォール
2024年3月26日
背景
郊外に新たに建設される事務所ビルの意匠設計を手掛けることになったX社。施主からは、ファサードには金属パネルのようなシャープさと、断熱性・耐火性が高いことを求められた。設計部は最適な素材を求めて動き出した。
課題
シャープな金属パネルのファサードが理想だが、金属サンドイッチパネルは好みではない…
外壁に金属パネルを採用するとなると、金属サンドイッチパネルが使用される事例が多くありました。金属サンドイッチパネルは2枚の鋼板で断熱材を挟んだ鉄骨造専用の外壁材で、平滑でスッキリとした表情になるのが特長です。施主の希望に合致すると考えた設計部のY氏は、事務所ビルのファサードに使用する素材として金属サンドイッチパネルを提案することにしました。
「金属サンドイッチパネルは、シャープさと優れた機能性を併せ持っているため、きっと賛成していただけると考えていました。しかし、ロジスティクスセンターのイメージが強く出てしまうところが施主の好みではなく、今回は採用には至りませんでした」(Y氏)
あらためて金属パネル以外に目を向けて、条件に合う素材を検討しました。その中で、断熱性・耐火性の面からALCに仕上げ材を取り付ける工法が候補に挙がります。しかし、貫通ボルトが熱橋となること、および止水性に懸念があるため却下されました。その他の素材もそれぞれに課題があり、意匠性と機能性を兼ね備えた最適な素材はなかなか見つかりませんでした。
課題のポイント
施主の希望は「金属パネルのようなシャープさ」と「断熱性・耐火性」
金属サンドイッチパネルは横長パネルで、ロジスティクスセンターのイメージが強かった
ALCに仕上げ材を取り付ける工法は、貫通ボルトが熱橋となり止水性にも懸念があった
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