ヘーベル
ファサードシリーズ
高意匠・高品質を追求した外壁の特長をご紹介
詳細
株式会社PPI計画・設計研究所
お話を伺った方
株式会社PPI計画・設計研究所
設計室 主任
久保潤弥 様(写真左)
採用製品
アートミュール ベルノ
旭化成建材の「ヘーベル」は、ALC(Autoclaved Lightweight aerated Concrete =軽量気泡コンクリート)の代名詞として、高層ビルから戸建住宅まで、幅広い分野の建築に採用されています。
そのヘーベルに高品質な塗装とシャープな目地の美しさを兼ね備えたのが、「アートミュール」です。今回は実際に、アートミュール ベルノを建物に採用いただいた事例をご紹介します。
久保様:2018年に竣工した兵庫県の保育園「灘ひまわりこどもの家」で、はじめて「アートミュール ベルノ」を採用しました。ちょうど道路に面した部分に、広い外壁面があったので、当初はセメント版や一般的なALCの採用を検討していました。しかしお施主様の大切な建物でしたので、他の外壁材でもっと変わったことが表現できないかと考えていました。
そんなとき、たまたま上司が「アートミュール ベルノ」を知っていて、私も一緒にサンプルを見せてもらったのがそもそものきっかけでした。
「灘ひまわりこどもの家」外観(兵庫県神戸市灘区/2018年)
道路から見て目立つ面にアートミュール ベルノを採用
久保様:意匠的には低層部前面と同様に上階もタイルを採用しようかなと最初は思っていました。ただ3階建ての建物なので、表面にタイルを使うと落下のリスクが懸念されるなど、選択肢は多くありませんでした。ちょうどそのときに、良いタイミングでアートミュール ベルノのサンプルを見る機会があり、「これだ!」と思いました。
最も気に入ったのは、通常のALCと比較したときの目地幅の細さです。サンプルを見て、これならお施主様にも喜んでいただけると感じました。また、旭化成建材さんの営業担当の方が親身になってサポートしてくれたのも大きかったですね。
久保様:はい。バルコニーに広い面がある建物でしたので、保育園の仕上がりに満足していたこともあり、ここでもアートミュール ベルノを使いたいと思い提案しました。実は、お施主様が保育園と同じ方で、アートミュール ベルノに大変満足いただいていたこともあり、話はとんとん拍子で進みました。
久保様:仕上がりはもちろんイメージしていましたが、良い方向に想像を超えてきてくれました。実際に外壁に使ってみて、わずか何ミリかの目地幅の違いで、仕上がりがこんなに変わるのかと驚きました。広い面で使っているので目立つ箇所ですが、施工から数年たった今も汚れなどは気にならず、きれいな状態を保てています。
一般的なALCの建物を見慣れているお施主様にも、「これもALCなの?」と新鮮に感じていただけたようです。そういう意味では、新しい外壁材として認識していただけたと思います。
久保様:施工面では一般のALCよりも繊細な作業が求められているように感じました。また仕上がりがきれいな分、シーリングの打ち継ぎ部分が少し目立ってしまう箇所もありましたが、それも商品のデメリットというより、施工スペースを広めに確保できていれば精度も高く施工できたかなと思っています。設計の仕方や施工方法は、今後いろいろと改善できる余地があると思います。
久保様:確かに通常のALCを使用するより若干コストはかかりますが、仕上がりなどの付加価値を考えると決してコストパフォーマンスは悪くないですよね。全面に使用することが難しいとしても、例えばファサードだけでも使う価値は十分あると思っています。
久保様:保育園や老人ホームのように「人が集まる場所」の場合は特に、建物の外観から得る印象が重要です。だからこそ、広い面にどの素材を使うかは非常に気を遣います。子どもが通ったり、家族を預けたりしても安心だと感じていただくことが第一歩ですからね。私にとっては、お施主様はもちろんのこと、その場所に集まる人、実際に生活する人たちに喜んでいただけることが第一です。
そうした観点からも、今後、設計した建物に広い面が出たときにはアートミュールを積極的に提案していきたいと思っています。アートミュールを知ったことによって設計者としても外壁材の選択肢が増え、お施主様のニーズに対して幅広い提案ができるようになりました。
今回は「アートミュール ベルノ」を使いましたが、他の種類のアートミュールやNCフリーデザインなども試してみたいですね。
2021年10月インタビュー