お施主様のイメージに合わせ、
自由度の高い外壁デザインを可能に!

田原虎彦建築設計事務所

お話を伺った方

田原虎彦建築設計事務所
代表者
田原 虎彦 様

採用製品

ヘーベル NCフリーデザインパネル(以下、NCフリーデザインパネル)

旭化成建材では、表情豊かなヘーベル建築と美しい街並みを実現するため、さまざまな意匠パネルをご提供しています。その一つである「NCフリーデザインパネル」は、コンピュータによる数値制御(Numerical Control)によって切削加工を行い、自由な表現を可能にしています。今回は実際に、本製品を建物にご採用いただいた事例をご紹介します。

「NCフリーデザインパネル」をテナントビルの外壁に採用した理由

今回、医療テナントビルに「NCフリーデザインパネル」を採用いただきました。本製品を知ったきっかけは何でしたか?

田原様:もともと、ALCパネルで自由にデザイン出来るパネルがあることは知りませんでした。このビルをデザインするにあたって、旭化成建材の営業の方にいろいろと相談している中で「NCフリーデザインパネル」をご紹介いただき、そこではじめて製品について知りました。

「NCフリーデザインパネル」の採用に至った経緯を教えてください。

田原様:まず今回、私が手掛けたテナントビルは、6階建ての建物です。特徴としては、テナントだけではなく住居も兼ねていることでしょうか。1階から3階までがテナント、4階にはお施主様が経営する医院が入り、5階が賃貸住宅、6階がお施主様のご自宅という構造になっています。

私自身は立地を踏まえて、建物正面にあたる東面の外壁のデザインで勝負をしようと考えていました。医療テナントビルということもあり、建物外観の清潔感が大事になります。お施主様からは、清潔感に加えて安っぽいイメージにならないことと、コスト面でのご要望をいただいていました。

この3つの条件を踏まえた私自身のデザインイメージと、紹介してもらった「NCフリーデザインパネル」がちょうどマッチすると考えました。

「ふたつ星ビル」外観東側

「ふたつ星ビル」外観東側(大阪府泉佐野市/2020年)

採用の決め手は何でしたか?

田原様:このパネルを実際に使用したショッピングセンターなどの事例を、営業の方から見せていただいたのは大きかったですね。「NCフリーデザインパネル」である程度オリジナルデザインを表現できるとわかった時点で、お施主様の会社名やヒアリングを経たイメージを踏まえ、外壁に「星」の形を取り入れたいと考えはじめました。

当初は素材を変えて表現することも考えていましたが、「NCフリーデザインパネル」なら斜めに線を入れて加工できること、凹凸がつけられて、溝の深さも変えられるということ、またコスト面もそこまで高い金額にならなかったので、このパネルを採用することにしました。

太陽光によってできる陰影が、建物にさまざまな表情を与えている

実際に仕上がりを見て、どうでしたか?

田原様:施工を終えて足場を取ったとき、建築関係者が仕上がりに驚いていたのが印象的でした。斜めのラインがズレてしまうと仕上がりが良くないので、かなり神経を使って工事してもらったおかげで、きれいに仕上がったと思います。お施主様からも、「すばらしいですね」という感想をいただきました。

このデザインパネルは、太陽の光の当たり具合や、見る角度によって陰影が変化します。影によって建物の表情が変わるのが面白いですよね。今回の立地だと、道路側が狭いので少々もったいないと感じたくらいです。

施工から1年ほど経過していますが、現状はどうでしょうか?

田原様:今回、医療テナントビルであること、また白い壁面であることから、最も懸念していたのは汚れでした。日本の風土では、カビと雨、汚れは避けて通ることができませんから。本当の結果はこのあと10年、20年経たないと分かりませんが、今のところ汚れに関してはそこまで気になっていません。

もし今後、汚れが出てくることがあったとしても、「アートミュール シセラ」を塗装材として同時採用しているので、一般的な塗装材よりも汚れは付きにくいと思っています。綺麗な状態を保てるということですが、汚れが目立ってきたらクリーニングや、該当する1〜3階部分のみ塗装し直すことでメンテナンスは可能だと考えています。
ちなみに「アートミュール シセラ」はドクターとこの街をイメージして、白を選びました。

お施主様の笑顔のためにも、自由に表現できるデザインパネルが重要

改めて、「NCフリーデザインパネル」を使用いただいた感想はいかがでしたか?

田原様:私たち意匠設計側からすると、建物の性格とコストを踏まえたうえで、いかに自由に自分たちのやりたいことを表現できるかが重要です。今回の建物では「NCフリーデザインパネル」によって、思い描いていたデザインをそのまま表現することができました。当初は、600mm毎に目地が出てくることがどう影響するのか分かりませんでしたが、結果的にさほど気になりませんでしたね。

最後に、田原様が設計の仕事をするうえで一番の原動力になっていることは何か、教えてください。

田原様:お施主様の笑顔、それに尽きます。お施主様から「ありがとう」と言ってもらえれば、それまでの苦労はすべて吹っ飛びますよね。そのために仕事をしています。

旭化成建材さんにはこれからも型にはまらずに、さまざまなデザインを実現できる建材開発を期待しています。

本日は、貴重なご意見をお聞かせいただき、誠にありがとうございました。

2021年12月インタビュー

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