ファサードとなる外壁全面にコンセプチュアル・モチーフをデザイン!
インパクトある施設が完成へ

株式会社熊谷組

お話を伺った方

株式会社熊谷組
設計部
山下 修司 様

採用製品

ヘーベル NCフリーデザインパネル(以下、NCフリーデザインパネル)

建物においてさまざまな意匠を実現できるよう、旭化成建材ではさまざまなALCパネルを開発・提供しています。その中の一つ「NCフリーデザインパネル」は、ファサードに自由で多彩なデザインを施すことができる製品です。今回は商業施設の外壁に、この「NCフリーデザインパネル」を採用いただいた事例をご紹介いたします。

甲子園球場に隣接する商業施設に「NCフリーデザインパネル」を採用

2022年3月、兵庫県西宮市の甲子園球場に隣接する商業施設、「甲子園プラス」がオープンしました。今回、この建物の外観に当社の「NCフリーデザインパネル」を採用いただきました。はじめに、本製品を選んだ経緯を教えてください。

山下様:私たち熊谷組が甲子園プラスの設計業務をスタートする以前の基本計画の段階で、事業主様が別件で「NCフリーデザインパネル」の採用実績もあり、今回の物件のファサードにも「NCフリーデザインパネル」を使いたいという要望が盛り込まれていました。私たちは、その計画を引き継いだ形になります。

外壁素材が決まった上で、建物全体のデザインをはじめたのですね。

山下様:そうです。「NCフリーデザインパネル」をメインの外壁素材とすることは決まっていましたが、実際の細かいデザインまでは決まっていない、という状態でした。そのため私たちは、建物の特性や形状を考慮した外壁のデザインを考え、提案するところからスタートしました。

昼と夜で表情が変わる!外壁のデザインによる陰影を、何度も繰り返し検証した

今回は最終的に、甲子園球場のシンボルである「蔦の葉」をモチーフにしたデザインをファサードに施されていますよね。このデザインは、どのように決めたのでしょうか?

山下様:やはり今回の建物の一番のポイントは、甲子園球場と接続される建物であるということでした。甲子園球場自体はとても歴史ある古い建物なので、その横に真新しい商業施設を建てるにあたり、全く異なる2つの建物に1つのつながりを意識させたいという意図がありました。

甲子園球場に限らず、野球や、西宮市にちなんだモチーフをいくつかピックアップし、「蔦の葉」の他にもデザイン案を複数考案しました。最終的に3案に絞り、実際のモックアップを作り検証していきました。

どんな部分にこだわって検証しましたか?

山下様:昼夜の壁面の陰影ですね。今回、陰影が与える印象がデザインの重要な要素の一つとなっていました。外壁デザインの検討と同時に、施設全体の照明計画も検討していましたので、それを前提にどのような印象になるか、モックアップでライトアップによる陰影の見え方を何度も現場で繰り返し検証しました。

またこのパネルは溝を掘ってデザインを表現しているため、昼と夜、光の当たり方によって印象が大きく変わります。昼間に太陽光のもとで見ると良い印象であっても、夜になるといまいち……ということもあったので、そこは慎重に検討を重ねていきましたね。

「NCフリーデザインパネル」をはじめて使ってデザインをしてみて、いかがでしたか?

山下様:私たちが考えるデザイン案のほとんどが実現できそうで、思っていた以上に自由度が高かったです。モチーフからのデザイン出しやブラッシュアップ、検証にいくらでも時間をかけてしまいそうになりました(笑)。

ALCはリーズナブルで意匠性よりコスト重視の素材として扱われがちですが、この製品は従来の他の外壁材では表現が出来なかった、意匠性の非常に高いコスパの優れた、新たな選択肢となる面白い外壁素材だと感じました。完成後、お客さまの満足度も非常に高かったですよ。

インパクトを求められる大型商業施設の外壁デザインに活かせる

「NCフリーデザインパネル」の施工についてはいかがでしたか?

山下様:製品の課題というよりも施工の課題かもしれませんが、デザインによっては多少、吊りこみ・塗装・シール等の施工の難しさがあるかもしれないですね。それは今後、考慮が必要かもしれないと思いました。

「NCフリーデザインパネル」は、どんな建物のデザインに使えそうでしょうか?

山下様:やはり今回と同様、商業施設などに向いているのではないかと思います。一般的に、オフィスビルやマンション、ホテルなどの建造物では落ち着いたデザインを求められることが多いのですが、商業施設のデザインを提案するときに事業主様からの強い要望の一つがインパクトなんです。

その地域を象徴する建物であること、集客が必要であることなどから、他の建物にはないインパクトのあるコンセプチュアル・デザインを求められることが多いので、「NCフリーデザインパネル」の特性を大いに活かせるのではないでしょうか。

本日は、貴重なご意見をお聞かせいただき、誠にありがとうございました。

2022年4月インタビュー

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