顧客満足度に直結する旅館の遮音性。木造用ALCパネルで静かに過ごせる空間を実現

株式会社堀田設計

お話を伺った方

株式会社堀田設計
谷岡 拓 様

採用製品

ヘーベルパワーボード、ユカテック

旭化成建材は、日本の木造建築物に適したALCパネルを開発・提供しています。今回は、和歌山県の旅館で「ヘーベルパワーボード」と、「ユカテック」を採用いただいた事例をご紹介します。設計を担当された建築士の谷岡様にお話を伺いました。

数寄屋風の旅館に「ヘーベルパワーボード」と「ユカテック」を採用

今回、旅館の構造を鉄骨造から木造へと変更されていますね。なぜ木造にされたのでしょうか?

谷岡様:お施主様が「お客様お一人おひとりに丁寧な接客をする宿」というコンセプトを掲げておられて、それを体現する一環で数寄屋のデザインを取り入れた旅館として計画されることになりました。構造と意匠を連続的にとらえ複雑な形を建てるには、木造が適していると考えました。

また、地域密着での建築という命題のもと、紀州材を使用すること+地元の業者の方や職人の皆様と共に慣れ親しんだ木造に取り組めるということも利点でした。

この建物では「ヘーベルパワーボード」と「ユカテック」を採用いただきました。この2製品は以前から知っていただいていたのでしょうか?

谷岡様:「ヘーベルパワーボード」は既に製品の存在は知っておりましたが、直接営業の方から説明を受け、より詳細な製品知識を得ることができました。「ユカテック」については、防火性や遮音性の高い床材を探している中で製品説明を受けはじめて知りました。その後プロジェクトチーム内で相談し採用に至りました。

仕様を決められたプロジェクトチームはどのような構成ですか?

谷岡様:この案件の企画段階から、弊社の他、お施主様、コンサルタント、デザイナー、施工会社の方を含めたチームを構成していました。お客様へ良いものを提供するために多方面から意見を出し合うことができ、結果として今回のような仕上がりにできたと実感しています。

静かで快適な客室を実現するため、遮音性の高さが決め手に

外壁材に「ヘーベルパワーボード」を採用いただいた決め手は何でしたか?

谷岡様:塗装によるカラーリングを含めたデザインの自由度が高いこと+汎用性が高いことです。他の外壁材だと完成した規格物が主流ですのでデザイン選択の幅が制限されてしまうイメージがありましたが、ヘーベルパワーボードであれば自由度が高くて解決できると思いました。それに加えて、将来的な補修のしやすさもあるので選びました。

続いて、遮音・防火床下地材に「ユカテック」を採用いただいた決め手は何でしたか?

谷岡様:遮音性をはじめとする、性能の高さに信頼を置いていた点が決め手です。鉄骨造から木造に変更するにあたり、一番大きな問題となるのはやはり上下階の遮音です。床遮音に関しては材料により得手・不得手があります。この点はプロジェクトチームの皆様からも、遮音に関する要望をいただいていましたので、重視していました。
そのような状況で、ユカテックの性能を知ったときに、これなら進んでプロジェクトチーム内で提案できると思いました。

実際に使っていただき、いかがでしたでしょうか。

谷岡様:今のところお施主様からご不満などは出ていませんので、遮音の問題はクリアできたと考えています。木造建築で課題となる経年による床部材の軋み音防止にも効果があると期待しています。特に1階にはグレードの高い客室や食堂など大切な部屋が多く、2階からの音が漏れることは旅館の評価や顧客満足度に直結するため、遮音対策は非常に重要な要素でした。ユカテックでその点をクリアできたのが、採用して良かった点です。
このような遮音性が必要となる案件であれば、同様にユカテックを採用したいと思いました。

将来のメンテナンス性まで配慮して、建材を選んでいる

今回に限らず、谷岡様が木造建築に採用する素材を選ぶときに重視していることを教えてください。

谷岡様:私は基本的に「汎用性の高さ」を重視して、建築素材を選ぶように心がけています。汎用性が高い素材は、意匠性や施工の自由度を高めることにつながると考えております。それだけではなく塗り替えや補修などのメンテナンスにも好影響を与えますので、建物を維持するためのランニングコストを抑えることにもつながります。建造物の将来をしっかり考え、今後も汎用性の高い建築素材を選んでいきたいですね。

2022年8月インタビュー

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