かつてのALCのイメージが変わり、病院の外壁に採用
事前の塗装方法の指導や現場加工など、柔軟な対応で納得の外観を実現!

松尾建設株式会社

お話を伺った方

松尾建設株式会社

久野 悦子 様

採用物件

医療法人芝蘭会 今村病院(Ⅰ期/Ⅱ期)

採用製品

アートミュール ベルノフラット、ベルノデザイン

旭化成建材が提供する「アートミュール」シリーズは、平滑性とシャープな目地形状を特徴とするALCパネルです。今回は「アートミュール ベルノ」を採用していただきました、医療法人芝蘭会 今村病院(大分県)の事例を紹介いたします。病院の設計をご担当された、松尾建設株式会社の久野悦子様にお話を伺いました。

アートミュールに出会い、ALCのイメージが変わった

今回、今村病院の外壁材にアートミュール ベルノを採用いただきました。採用に至るまでの経緯を教えてください。

久野様:アートミュールシリーズを知る以前の私たちは、病院を設計する際、PCにタイルを打ち込んだものや押出成形セメント板を外壁材として多く使用していました。ただ、今村病院Ⅰ期の設計がスタートした当時、押出成形セメント板の調達が難しくなり、納期の問題から外装材を変える必要が出てきたのです。

とはいえ工期は伸ばしたくありませんでしたし、金属板ではコストが合いませんでした。そこでALCが候補に挙がり、さまざまな外壁材を探す中でアートミュールを見つけました。

「アートミュール ベルノ」を採用いただいた決め手は何でしたか?

久野様:建物の裏などにはALCを使用することがありましたが、どうしても安っぽく見えるイメージがありました。でもアートミュールシリーズの写真を見たときに、押出成形セメント板の仕上がりと遜色ないように感じたのです。特に仕上がりの平滑性と目地幅がポイントでしたね。また断熱性能に関しては、圧倒的にアートミュールの方が優れていました。

サンプルで質感を確認し、実際にアートミュールが使用されている建物を見学した上で、お客さまにも納得いただいて採用に至りました。特に実際の建物を見られたのは参考になりましたね。

情報収集に当たっては、メーカーの営業さんのお話や雑誌の写真も参考にするのですが、どうしても写真だけでは分からないところがあります。外壁は失敗したくないというのもあって「その現物は、ここに行ったら見られますよ」とご紹介いただくと、より検討しやすいのかなと思いました。

あとは、意匠性の高さはもちろんですが、10年間の塗膜漏水保証が受けられることも大きかったです。

複数の見本を比較しながら施工を実施!現場での加工も柔軟に対応してもらえた

施工に関してはスムーズにいきましたか?

久野様:今回、私たちだけではなくお客さまも建物に対するこだわりが強く、外壁の質感に関してはかなりシビアに見ていました。そこで、現場の施工担当者の方には、塗料の塗り方を徹底的に指導することで品質を担保しましたね。

色や仕上がりについては、事前に旭化成建材の担当者や代理店の方から、細かな情報や実際に塗装したサンプルをもらっていたので、比較検討がしやすかったです。

アートミュールを実際に使用して、ALCに対するイメージは変わりましたか?

久野様:素材感などのバリエーションがあるので、組み合わせ次第でいろいろなことができると実感しました。今回の病院でも窓辺のところだけ外壁材の厚さを変えて、25ミリの段差を付けたところ、外観に変化を出すことができてよかったです。

また、ファサードの一部にストライプのデザインパネルを選んだのですが、コーナーパネルの角部だけは工場加工ラインでの加工ができないためフラットになっていました。でも、そこだけストライプがないとどうしてもバランスが悪かったので、現場で彫ってもらうようにお願いして対応してもらいました。

このように柔軟な対応や、フリーデザインパネルでオリジナル模様を作成できるなど、ALCの可能性の広さを実感しました。設計者やお客さまの好みもありますし、コストをシビアに比較することもあるので全てとはいえませんが、私自身は断熱性能の高さなども含めて、コスト面がクリアできればアートミュールを選択することが増えると思います。

均一な塗装だけではなく、粒度のある表現を期待

アートミュールシリーズに対して、今後期待することやご要望はありますか?

久野様:外壁材として何度か採用する中で、もう少し陰影を深くつけられると更に良いと感じることはありますね。せっかくフリーデザインパネルがあるので、例えば均一な塗装ではなく、レンガやスタッコのようなムラや質感がきれいに表現できるといいなと思います。

本日は、貴重なご意見をお聞かせいただき、誠にありがとうございました。

2023年11月インタビュー

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